発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012175559
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46歳女。右下腿のしびれが出現し、痛みも生じて歩行困難となった。右腓骨神経領域に感覚鈍麻、錯感覚を認め、筋力は右前脛骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋が低下していた。MRIで腰椎L5/S1レベルに左優位の軽度な椎間板ヘルニアを認めたが、右下垂足の原因とは考えられなかった。神経内科を紹介し、絞扼神経障害の診断で経過観察となったが右腓骨麻痺の改善はなく、発症7日後に精査目的で入院した。第2病日より全身の倦怠感、呼吸苦、更に頭部・四肢の紫斑、幻覚、せん妄が出現し、脳MRIで多発性脳梗塞、CTで胸水の貯留、血液検査で好酸球、IgEの上昇が認められた。呼吸器内科にコンサルトし、Churg-Strauss症候群と診断されて第6病日に転院した。プレドニゾロンを1000mg/日点滴静注3日間、その後、60mg/日内服で投与され、エンドキサンパルス療法が追加された。症状および検査所見は著明に改善して転院1ヵ月後に退院し、筋力も徐々に回復した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012