難治性骨折に対する治療
難治性骨折の治療(総論) 低出力超音波パルス(LIPUS) 大腿骨・脛骨骨幹部粉砕骨折に対する術後早期低出力超音波パルス治療 難治性骨折の予防策となりうるか
木浪 陽
1
,
野田 知之
,
島村 安則
,
尾崎 敏文
1岡山大学 大学院地域医療学講座
キーワード:
X線診断
,
脛骨骨折
,
内固定法
,
骨折-非癒合性
,
骨ネイル
,
骨板
,
コホート研究
,
術後合併症
,
大腿骨骨折
,
超音波療法
,
骨折-粉砕
,
骨折治癒
,
多施設共同研究
Keyword:
Bone Nails
,
Bone Plates
,
Femoral Fractures
,
Fracture Fixation, Internal
,
Fractures, Ununited
,
Radiography
,
Postoperative Complications
,
Tibial Fractures
,
Ultrasonic Therapy
,
Cohort Studies
,
Multicenter Studies as Topic
,
Fracture Healing
,
Fractures, Comminuted
pp.57-60
発行日 2012年4月15日
Published Date 2012/4/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2012339589
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大腿骨・脛骨骨幹部粉砕骨折に対する術後早期の低出力超音波パルス(LIPUS)治療の多施設前向き研究を行った。AO分類C型の大腿骨・脛骨骨幹部粉砕骨折28例を対象とした。大腿骨10例、脛骨18例で、骨癒合25例、再手術3例、骨癒合率89%であった。骨癒合例の平均骨癒合時期は4.5(3~7)ヵ月、大腿骨で平均4.7ヵ月、脛骨で平均4.3ヵ月であった。平均社会復帰時期は4.9(3~12)ヵ月、大腿骨で4.8ヵ月、脛骨で5.0ヵ月であった。部位・性別・世代・軟部状態・固定法などにおいて有意差はなかった。以上から、術後早期のLIPUS治療は、骨折部周囲の血流がある程度保たれ、内固定が施行されていれば、早期の骨癒合が期待でき、難治性骨折への移行も予防できると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2012