発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012156575
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内視鏡下腰部脊柱管拡大術における新アプローチ法として考案した棘突起尾側複合体移動法(SPICS)を紹介し、同手術7例8椎間(平均67.1歳)の成績を報告した。進入側側方骨切り角は平均79.5°で、十分に鋭角で良好な骨切除ができた。術中出血量は平均30.1mlであった。手術高位の椎間可動域は術前平均4.91°、術後4.37°と有意差はなかった。8椎間中2椎間は術前に軽度の前方すべりを認めたが術後の増加はなく、新たに前方すべりを生じた症例もなかった。筋萎縮の評価として、MRI横断像により手術椎間中央高位と隣接下位椎間中央高位の進入側多裂筋面積の和を術前後で比較したが、術前11.16cm2、術後11.02cmと有意差はなかった。6ヵ月以上の経過観察で、全例CTで切離棘突起の骨癒合が認められた。日整会腰痛疾患治療成績判定基準の改善率は平均68.1%、下肢症状visual analogue scale(VAS)改善率は90.8%と良好で、1ヵ月時の腰痛VASは平均0.71と少なかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012