発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009224969
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1990~1994年に腰部脊柱管狭窄症に対し拡大開窓術を施行した60例中10年以上追跡し得た50例(男31例、女19例、年齢50~78歳)を対象に、成績不良と成績悪化の要因、再手術例について検討した。術前、術後、初回調査時、中間調査時、最終調査時での日整会腰痛治療成績判定規準(JOAスコア)の経過良好群は38例でJOAスコアは経年的に漸増傾向を認めるが有意差はなかった。成績不良群は2例、原因は除圧不良2例であり、変性すべり症に変性側彎と変性後彎の合併が各1例にあった。成績悪化群は12例で、主因は除圧椎間の椎間板ヘルニアの発生2例、硬膜外瘢痕形成による狭窄2例、隣接椎間の変性進行による狭窄症の発症2例、関節突起骨折とすべりの発生および進行4例であった。再手術は6例であった。腰椎変性すべり症20例中7例に最終調査時すべり率5%以上のすべりを認めたが、すべり率5%以下の非増加群と比べてJOAスコアに有意差を認めなかった。以上より狭窄症に対して拡大開窓術の長期成績は良好だが前方すべりに変性側彎や高度の変性後彎を伴う狭窄には除圧効果および長期成績は不良であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009