発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006128141
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21歳女.スノーボード中に転倒し臀部を強打したが放置していたところ,右臀部痛と右下肢痛が翌日から出現し,体動困難となり近医にて入院加療を受けたが改善せず紹介となった.体温37.4度で右臀部から大腿後面,下腿外側にかけて疼痛を認めた.右側のLasegueテスト陽性,Newtonテスト陽性,pelvic compression test陽性であった.炎症所見を認め,単純X線写真では異常を認めなかったが,3-D CTにて右仙腸関節の関節裂隙の狭小化,不整像を認めた.MRI及び造影MRIと骨シンチグラムの所見を併せて膿瘍形成を伴った化膿性仙腸関節炎と診断した.血液培養と仙腸関節穿刺液培養は共に陰性であったが,CEZ及びAMKの投与でも約1ヵ月を経過しても発熱が持続し,改善は認められなかった.手術への同意が得られず,超音波下での関節穿刺を行い,培養にて黄色ブドウ球菌を検出し,CEZとAMKに感受性を認めたことから投与を継続したところ,穿刺直後から軽快し,炎症所見も陰性化した.その2週間後から経口抗生剤に変更し,穿刺後3ヵ月迄は継続した.穿刺後8週にて退院し,退院後1年で症状は全くなくスノーボードも可能となった
©Nankodo Co., Ltd., 2006