症例
伸筋腱皮下断裂との鑑別に苦慮した後骨間神経麻痺の2例
山中 清孝
1
,
藤川 ひとみ
,
森 基
,
松村 健一
,
上中 一泰
1多根総合病院 整形外科
キーワード:
腱損傷
,
MRI
,
鑑別診断
,
X線CT
,
滑膜切除
,
後骨間神経麻痺
,
伸筋
,
腱移行術
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Tendon Injuries
,
Tendon Transfer
,
Tomography, X-Ray Computed
pp.1145-1148
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00767.2017001006
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症例1:56歳男。中指から小指のMP関節伸展の不能および滑膜炎による伸筋腱の癒着手、動的腱固定効果の消失を認めた。身体所見とCTより伸筋腱皮下断裂を疑い、滑膜切除術を施行したところ、腱固定効果による手指の伸展が回復した。術後MRIにて伸筋群の脱神経筋輝度変化を認めた。以上より、後骨間神経麻痺の不全型と診断した。手指の伸展は半年で左右差なく自然回復した。症例2:74歳男。中指から小指のMP関節伸展の不能で、動的腱固定効果の消失も認めた。CTの腱条件では伸筋腱の連続性は確認できた。MRIでは伸筋群の脱神経筋輝度変化を認めた。以上より、後骨間神経麻痺の不全型と診断した。手術は橈側手根屈筋の総指伸筋への腱移行を選択した。手根関節のやや近位に滑膜増殖を伴う伸筋腱の癒着を認め滑膜切除を行ったところ、腱固定効果による手指の伸展が可能となった。以後は術後経過に問題はなく、伸展機能は改善を認めた。
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