発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012061429
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73歳男。腰痛を主訴とし、X線でL2棘突起陰影の消失、L3に陳旧性圧迫骨折を認めた。MRIではL2棘突起を中心に皮下から硬膜外にかけて浸潤性に増大する約3×4×5cm大の腫瘤を認め、T1強調像で低輝度、T2強調像で等~高輝度を示した。硬膜管は背側より圧排されていた。CTでは棘突起を中心に左右の椎間関節にかけて骨破壊像を認め、MRI所見と合わせて棘突起より発生した腫瘍が示唆された。転移性骨腫瘍を疑いFDG-PET CTを行ったところ、腰椎・直腸・胃・甲状腺に集積を認めた。腫瘍生検を行い転移性腺癌と診断し、後方進入により腫瘍を可及的に摘出してインストゥルメントによる固定を行った。術後は一旦症状の改善を認めたが、術後3週に下肢の筋力低下、膀胱直腸障害が出現し、MRIで局所再発を認めた。病理診断に時間を要し術後4週で筋上皮腫の確定診断が得られ、放射線療法は有効性に乏しいため行わず、徐々に全身状態は悪化して術後9週で死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011