発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010044181
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症例1(19歳男性)。高所より川に飛び込んで受傷、近医の救命センターにてL2/L3圧迫骨折と診断されたが、2日後に排尿障害が持続し、著者らの施設へ転院となった。入院時、明らかな下肢筋力低下はみられなかったが、膀胱直腸障害が認められた。MRIにて硬膜外血腫による馬尾神経障害と診断され、後方正中切開にてL3-L4椎弓切除術を施行したところ、術後6日目には自排尿、排便可能となり、目下、術後1年で経過は良好である。症例2(77歳女性)。転倒受傷後に腰背部痛が出現し、著者らの施設へ救急外来受診となった。当初、L5圧迫骨折よる腰痛を考え、安静入院としたが、受傷12日目のMRIにて脊髄硬膜外血腫が確認された。保存的に経過観察したところ、受傷15日目に右前脛骨筋の筋力低下、下腿外側痛、42日目に左前脛骨筋の筋力低下が出現したが、硬膜外血腫は軽減傾向にあり、仙骨骨折による遅発性神経根障害が疑われた。目下、受傷から1年経過で左下肢筋力は回復したが、右下肢筋力の低下は残存している。
©Nankodo Co., Ltd., 2009