発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011338934
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17歳男。14歳時より左足関節に違和感が出現し、X線上異常はなかったが、歩行時の痛みが著明であった。1ヵ月前より患側下肢で荷重困難となり、X線側面像で距骨頸部に径約1cmの骨透亮像を認め、内部に石灰化像がみられた。MRIではT2強調脂肪抑制画像で距骨全体に高信号を呈する骨髄浮腫性変化を認め、距腿関節内に関節水を伴っていた。距骨頸部には、T1強調画像およびT2強調脂肪抑制画像で低信号域を示す1cmの環状陰影を認めた。CTでは距骨頸部に周囲に軽度の骨硬化伴う骨透亮像(nidus)を認め、内部に環状の石灰化がみられた。距骨に発生した類骨骨腫およびそれに伴う関節炎と診断して手術を行い、距骨頸部に周囲に陥凹を伴う赤色腫瘤を認め、比較的容易に一塊として摘出可能であった。術直後より疼痛は改善して術後1ヵ月には完全消失し、術後5ヵ月の現在、可動域の制限は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2011