発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003301977
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45歳女.左足関節痛をきたし,X線で距骨体部は硬化し,距踵関節面は不整であったが,距腿関節は保たれ,距骨後方に数個の小骨片が認められた.MRIで,距骨体部はT1,T2強調像で低輝度に描出され,Gdにより頸部及び周辺部が造影された.血管造影では距骨体部を栄養する足根管動脈の途絶様所見が認められた.距腿関節の関節鏡所見では,距骨関節面に軽度の細線維化が認められたが,軟骨は比較的温存されていた.生検病理所見で,距骨頸部の骨組織には生存骨細胞が認められたが,距骨体部は核がみられず,壊死と診断された.手術所見で,距骨体部の海綿骨は大半が白色に変色し硬化していた.壊死骨を掻爬し,母床には骨新生を誘発するため多数のドリリングを行った.腸骨より採取した20×20mmの骨片を移植し,距骨前方よりcannulated cancellous screwを刺入して距踵関節を固定し,移植骨片をKirschner鋼線で固定した.術後1年で弛み・脱転はなく,移植骨の癒合が得られ,壊死部の硬化像も改善した
©Nankodo Co., Ltd., 2003