発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006304469
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28歳男.5年前より左足関節痛が出現し,関節炎の診断で保存的治療を受けたが軽快しなかった.X線では異常所見を認めなかったが,CTで左脛骨遠位端前面に周囲に骨硬化像を,内部に石灰化を伴う径10mmの骨破壊像を認めた.MRIのT2強調像では同部に内部高信号,周囲低信号の円形病変を認めた.骨シンチグラムでは左足関節部の脛骨側に高度の集積像を認めた.類骨骨腫を疑いアスピリン投与したところ,疼痛は軽快した.手術を施行し,関節を切開すると関節液が貯留しており,滑膜が増殖していた.円形赤褐色の腫瘍が脛骨遠位端より膨隆しており,これを一塊に摘出した.病理組織所見では類骨が形成され,周囲に骨芽細胞,破骨細胞,血管増生のある線維組織を認めた.滑膜にはリンパ球の浸潤を認め,類骨骨腫の所見であった.術後早期より疼痛は寛解し,1年後の経過観察で再発を認めなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2006