発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013257557
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15歳男。右足関節痛を主訴とした。スポーツ競技中、同部の内反強制により受傷し、足関節捻挫の診断で11ヵ月間保存的に加療していたが改善しなかった。単純X線像で距骨体部内側に骨透亮像と周辺の骨硬化を認め、CTでは病巣部の内側面・底面の骨皮質の菲薄化、連続性の乱れを認め、MRIではT1低信号、T2高信号で一部に造影効果を認めた。距骨の骨腫瘍による病的骨折の疑いで、手術により距骨内側の腫瘍を掻爬し、内部にβリン酸三カルシウムを充填した。腫瘍は病理組織学的に類円形から楕円の核を有する単核細胞が多核巨細胞を伴いシート状に増殖する像と軟骨組織像を認め、良性軟骨芽細胞腫と診断した。3週間の短下肢シーネ固定の後、足関節可動域訓練を開始し、術後6週より部分荷重を開始した。術後1年半経過して再発は認めず、スポーツ復帰している。
©Nankodo Co., Ltd., 2013