発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011338931
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症例1:28歳男。3回の左肘関節部骨折の受傷歴があり、2回目骨折後に内反肘となっていた。今回、6ヵ月前に転倒して左肘を脱臼し、ギプス固定を受けたものの橈骨頭脱臼を繰り返した。X線で回外位で橈骨頭の後方脱臼を認め、ストレス撮影では内反、外反ストレスで外側、内側の関節裂隙の開大を認めた。症例2:34歳男。小児期の右肘骨折後に内反肘となっていた。2週間前に転倒し、右肘関節脱臼でギプス固定を受けたものの橈骨頭の亜脱臼が残存した。X線で回外位で橈骨頭の後方亜脱臼を認め、ストレス撮影では内反ストレスで外側関節裂隙の開大を認めた。症例3:30歳男。5歳時の左肘関節開放骨折後に内反肘となっていた。10日前に転倒して左肘関節脱臼を受傷し、X線で上腕骨外顆に裂離骨折を認めたが、回外位での橈骨頭の亜脱臼はなく、ストレス撮影では内反・外反ストレスともに関節裂隙の開大を認めなかった。しかし、肘関節後外側回旋不安定性テストは陽性であった。3例とも手術所見は主に内反肘と外側支持機構の障害で、上腕骨の矯正骨切り、外側支持機構の修復または再建により良好な結果が得られた。但し、症例1は内反変形が残存した。
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