発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008233806
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例1:70歳女。上腕骨近位端骨折に対しプレート固定を受けていた。右肩の疼痛及び挙上障害を主訴とし、初診時、前方屈曲80°、外転50°、外旋10°と可動域(ROM)制限を認めた。VASスコアは8/10点、University of California Los Angels(UCLA)スコアは7/35点であった。単純X線像では、上腕骨頭は内反転位し、大結節は上方に転位していた。プレートは大結節よりも近位に突出していた。斜角筋ブロックを併用した全身麻酔下に人工骨頭置換術を行った。術後31ヵ月の現在、軽度の疼痛が残存しているものの、前方挙上170°、外転170°、外旋40°が可能である。症例2:76歳男。上腕骨近位端骨折を受傷し、転位があるにも拘らず、保存的に加療されていた。右肩の疼痛及び挙上障害を主訴とし、初診時、前方挙上角度40°、外転30°、外旋-10°、VASスコア6/10点、UCLAスコア11/35点であった。CT冠状面再構成像にて骨頭は45°下方に回旋転位し、骨頭軟骨面の約50%が骨幹部骨折面に相対していた。機能的な回復は難しく、除痛目的に手術を施行した。偽関節部を含め、線維性に骨幹部と結合していた骨頭軟骨を切除し、大結節の骨切りを行い、BiAngular使用して人工骨頭に置換した。術後26ヵ月現在、前方挙上95°、外転50°、外旋10°であり、 UCLAスコアは28/35点で臨床成績はfairではあるが、痛みはない。
©Nankodo Co., Ltd., 2008