肩関節・肩甲帯部疾患 病態・診断・治療の現状 治療 保存的治療と手術的治療の現状
手術手技 人工関節の現状 モジュラー型人工肩関節の有用性
池上 博泰
1
,
中道 憲明
,
松村 昇
,
丹治 敦
,
戸山 芳昭
1慶応義塾大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
肩関節
,
関節可動域
,
変形性関節症
,
関節リウマチ
,
治療成績
,
人工関節
,
脱臼骨折
,
肩関節全置換術
Keyword:
Arthroplasty, Replacement, Shoulder
,
Fracture Dislocation
,
Arthritis, Rheumatoid
,
Joint Prosthesis
,
Osteoarthritis
,
Radiography
,
Shoulder Joint
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
pp.226-231
発行日 2010年10月25日
Published Date 2010/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011097723
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Lima社のモジュラー型人工肩関節「SMRショルダー」を用いて上腕骨・肩甲骨ともインプラントに置換した39例の治療成績を報告した。疾患の内訳は関節リウマチ(RA)12例、変形性関節症(OA)25例、陳旧性肩関節後方脱臼骨折2例、術後観察期間は4ヵ月~4年2ヵ月であった。SMRショルダーは上腕骨の骨切り角度や後捻角度を確認する器械が簡便であることと、肩甲骨関節窩のリーマーが小さいことから、手術中のインプラント挿入操作が容易であった。また、上腕骨インプラントの自由度が高く、ステムやネックを各々別々に選択可能であること、術中に上腕骨頭の内側/後方へのオフセットの調整が容易で視覚的にも分かりやすいこと、トライアルとインプラントに互換性があることなどから、人工関節のサイズ決定が容易であった。JOAスコアを疾患別にみると、RA群では術前平均37点が術後84点に改善し、OA群では術前平均39点が術後91点に改善、陳旧性後方脱臼骨折群では術前平均44点が術後92点に改善した。代表例として3疾患の各1例を提示した。
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