発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011288567
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46歳男。22年前に右大腿骨遠位骨巨細胞腫と診断され、再発を繰り返し計4回の掻爬・骨移植を受けていた。今回、右膝痛が出現し、X線で大腿骨遠位部に骨透亮像、骨皮質破壊、CTで骨皮質の膨隆・一部欠損を認め、MRIではT1強調画像で低輝度、T2強調画像で高輝度と低輝度が混在、一部鏡面形成を呈する骨腫瘍を認めた。切開生検を行ったところ、病理組織像が22年前の病理組織像と類似していたため、骨巨細胞腫の長期経過後再発と診断し、大腿骨遠位部の腫瘍切除、腫瘍用人工関節の設置を行った。術後約7ヵ月に右肺腫瘍が出現したため腫瘍切除術を行い、病理診断は通常型骨巨細胞腫の転移性肺腫瘍であった。また、転移性肺腫瘍と同時に、右大腿後方の腫瘍切除部に連続するかたちで腫瘤出現を認め、切除術を行い、病理診断は骨巨細胞腫の骨肉腫への悪性転化であった。悪性転化の診断直後、右大腿部より多発軟部再発を、また両肺野に多発する肺転移の出現を認め、骨巨細胞腫より悪性転化した腫瘍の再発・多発転移と診断して化学療法を行った。しかし、抵抗性を示し、人工関節置換術後約1年で死亡した。
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