発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007076383
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19歳男性。患者は軽自動車運転中に4tトラックと正面衝突して受傷し救急搬入された。意識は清明で、頭部・腹部・胸部に損傷はなく、左大腿骨骨幹部開放骨折(Gustilo分類type II)・右大腿骨遠位端開放骨折(type IIIA)・左肘頭粉砕骨折を認め、体外に放出された右大腿骨遠位の骨片(15×4cm)を救急隊員が持参していた。全身麻酔下に両大腿骨のデブリドマンを行い、逸脱骨片は洗浄後に腹壁皮下に移植保存し、両下肢に鋼線牽引を行って全身状態改善まで待機した。受傷後17日目に骨接合術を行い、更に左大腿骨骨幹部骨折に髄内釘横止め法を、左肘頭骨折に鋼線締結法を行い、右大腿骨遠位端骨折には腹壁皮下に移植した逸脱骨片を整復しプレート固定を行った。その結果、右下肢全荷重まで4ヵ月を要したものの、術後2年経過現在、良好な骨癒合認められている。
©Nankodo Co., Ltd., 2006