発行日 2002年4月25日
Published Date 2002/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2002203747
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大腿骨骨折に対する骨セメント簀巻き法(蜂谷法)について報告した.対象は,本法施行の11例12肢(全員女性,平均年齢76.7歳)であった.2例が寝たきりとなったが,2例が杖歩行による独歩に改善し,他の7例はすべて受傷前の状態に回復した.手術方法は,皮切後骨折部を展開し解剖学的に整復し,金属メッシュプレートを筒状にして骨折部を覆うように巻き,片側にワイヤーを4~6本通しておき,軟らかめの骨セメントを金属メッシュプレート内側に均等になるよう全周に流し込み,ワイヤーを反対側に通してすばやく締結した.術後は翌日より間接稼動域訓練および筋力増強訓練を他動的に行い,創部疼痛および腫脹が軽減し次第,自動運動訓練を開始した.本法は三次元的な解剖学的整復位の獲得が容易で,かつ強固な初期固定性が得られ,骨折の型・部位,骨の強度などに関係なく,早期に後治療が開始できるため早期離床が可能で,ハイリスクな高齢者に最も良い手術方法の1つと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2002