発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011288565
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症例1:2歳10ヵ月女児。9ヵ月時にO脚よりBlount病と診断され短下肢型矯正装具装着となったが、O脚が増悪した。X線で大腿骨遠位に杯状陥凹(cupping)、骨端部辺縁の不整(fraying)を認め、血液検査ではALP高値、P低値で、腎でのリン再吸収率が低下していた。低リン血症性くる病と診断し、活性型ビタミンD大量投与にリン酸緩衝液を追加しALPは低下した。O脚に対しては長下肢型矯正装具への変更を行い、改善を認めた。症例2:1歳5ヵ月女児。O脚を認め、X線で大腿骨遠位にcuppingとfrayingを認め、血液検査でALPと1,25(OH)2ビタミンDの高値が判明し、ビタミンD依存性くる病と診断した。活性型ビタミンD大量投与に乳酸カルシウムを追加し、治療後8ヵ月にALP低下、O脚の軽快を認めた。症例3:1歳5ヵ月女児。O脚と歩容不安定でBlount病と診断されており、O脚が増悪し、X線で軽度の大腿骨遠位のcuppingとfrayingを認めた。血液検査でALP高値、25(OH)2ビタミンD低値を認め、ビタミンD欠乏性くる病と診断し、現在経過観察中である。
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