発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011288559
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74歳男。誘因なく左上肢の脱力が出現し、翌日には左下肢も脱力して歩行困難となり救急搬送され、搬送後90分にはC7髄節以下Frankel分類Aの両側完全弛緩性脊髄麻痺となった。頸椎CTでC4~C7に分節型の頸椎後縦靱帯骨化症を認め、MRIではC4~C6/C7レベルに脊柱管狭窄を認め、C5/C6レベルで脊髄はヘルニアにより圧迫されていた。椎弓形成術(C4~C6)とC7椎弓上縁切除術を施行して脊柱管を拡大した後、前方除圧固定術(C5~C7)を施行してヘルニア塊を摘出した。術翌日に両上肢近位への麻痺上行が判明し、緊急MRIでは脊髄が除圧部で髄内高輝度を伴い著明に腫大していた。ステロイドパルス療法を施行したところ、脊髄腫脹は術後6週には消退し、術後5ヵ月には萎縮像を呈した。発症後8ヵ月時点で両手関節以下の完全麻痺は残存したが、麻痺の上行した三角筋と上腕二頭筋は改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011