発行日 2002年3月1日
Published Date 2002/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002149941
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56歳男.頸部痛と四肢の痺れを主訴とした.単純X線像でC2~C4に連続型の後縦靱帯骨化を認めた.MRIではC5/C6の椎間板ヘルニア脱出と思われる像と,C2~C4に背柱管狭小化を認めた.背髄腔造影ではC5/C6高位で不完全ブロック像を呈しており,椎間板造影ではC5/C6の変性を認めた.これらの所見より,頸椎後縦靱帯骨化症(OPLL)に合併した頸椎椎間板ヘルニアによる脊髄症と診断し手術的治療を行った.術後経過は良好で,頸部痛は消失し,四肢の痺れも軽減した.ヘルニアが硬膜内へ脱出した機序については,OPLLの存在が頸椎の不撓性を形づくるのに重要な役割を担い,運動可能レベルにトルクの集中をきたし,このトルクの高まりによって脱出した可能性が考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2002