胸部・気道損傷の治療
動揺胸郭に対する外固定術
野中 誠
1
,
幡谷 潔
,
畑山 年之
,
大賀 純一
,
相田 邦俊
,
前沢 浩司
,
曽田 均
,
小池 康
,
櫻井 修
,
石田 康男
,
諸星 和哉
,
山野 賢一
1横浜旭中央総合病院 呼吸器外科
キーワード:
フレイルチェスト
,
医学用イラストレーション
,
交通事故
,
内固定法
,
骨ワイヤー
,
転倒・転落
,
胸腔ドレナージ
,
胸部CT
Keyword:
Accidental Falls
,
Accidents, Traffic
,
Bone Wires
,
Flail Chest
,
Fracture Fixation, Internal
,
Medical Illustration
pp.966-971
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007060705
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症例1:76歳男。自転車走行中に転倒し、右第2~8肋骨骨折と血胸を生じた。経鼻酸素投与を行い、外傷性血胸を認めたため胸腔ドレナージを考慮したが、認知症のため徘徊による管理の危険性を勘案し、非ドレナージのまま保存的に経過観察することとした。その後、除痛および離床に伴い側胸部の動揺胸郭が著明となったため、銅線を用いた外固定術を施行した。術後にも徘徊がみられたが、胸郭固定は十分であり、酸素離脱後に退院した。術後4ヵ月現在、胸郭変形は認めない。症例2:81歳女。歩行中に自転車と衝突し、右第3~7肋骨骨折と血胸を生じた。低酸素血症に対し酸素投与を行い、血胸に対しては胸腔ドレナージにて保存的に経過観察した。その後、除痛ならびに離床に伴い前胸部の動揺が著明となり、銅線を用いた外固定法術を施行した。術後、術側を下にして就眠していたが、胸郭変形はみられず、酸素離脱可能後に退院した。術後1ヵ月現在、胸郭変形は認めない。
©Nankodo Co., Ltd., 2006