発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011186412
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62歳男。左下肢疼痛としびれが出現し、Th9単骨性線維性骨異形成の診断で待機的手術を予定していたところ、誘因なく歩行困難を来たし入院となった。X線ではTh9左側椎弓根の消失を認め、CTではTh9椎弓、両側横突起、椎弓根の骨融解像、椎体の辺縁に骨硬化像を伴う骨融解像を認めた。MRIでは椎弓にT1強調画像で等信号、T2強調画像で高信号を呈する嚢胞状変化がみられ、これにより脊髄は圧迫されていた。椎体部分にはT1強調画像で等信号、T2強調画像で低信号を呈する病変を認め、線維性組織の存在が考えられた。まず、緊急で後方除圧固定を行い、後方部分の欠損を生じたため固定を併用し、1週間後に二期的に前方アプローチで左第8肋骨を切除して腫瘍摘出、椎体置換術を行った。術後、下肢筋力は徐々に改善し、長距離歩行が可能となった。術後1年経過時点で足部のしびれは残存しているものの職場復帰しており、CTで骨癒合も確認され、再発所見は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2011