発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010155715
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51歳女。左股関節周囲から膝にかけて痛みを自覚した。単純X線で大腿骨遠位に偏在性に骨皮質が菲薄化し、骨が膨隆変形した骨腫瘍があり、内部にスリガラス陰影がみられた。また、大腿骨近位には骨の膨隆を伴わない、皮質骨が菲薄化した楕円状のやや透過性の低下した変化がみられた。MRIではT1強調画像で大腿骨腫瘍部全体に低信号域がみられ、T2強調画像では遠位で等信号、近位で等~高信号が混在する像がみられた。骨シンチグラムでは大腿骨近位に集積の亢進がみられ、更に大腿骨遠位、腓骨遠位、第4中足骨、第4中節骨にも軽度集積がみられた。また、追加の単純X線では腓骨遠位に線維性骨異形成(FD)の所見がみられた。血管造影では大腿骨近位に異常血管の増生がみられたが、遠位部にはみられなかった。大腿骨近位と遠位2ヶ所の切開生検を施行し、大腿骨近位はosteoblastic osteosarcoma、遠位はFDの診断であった。骨肉腫部分は広範切除を行い、骨欠損部には腓骨移植を行い、プレート固定を併用した。術後8年で再発転移はなく、骨癒合も良好に経過している。
©Nankodo Co., Ltd., 2010