発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011125722
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33歳女。出生直後に核黄疸となり、アテトーゼ型脳性麻痺となった。また、30歳時に逆流性食道炎により胃瘻を造設していた。外来加療と短期入所を併用しながら在宅支援を行っていたところ、自宅でおむつ交換中に異常な筋緊張が起き、右大腿骨骨幹部骨折を受傷した。逆行性髄内釘による観血的整復内固定術を行ったが、解剖学的整復位を得ることは困難で、約4cmの骨短縮を行った。その後1年の経過で対側の左股関節屈曲拘縮が徐々に著明となり、胃瘻造設部に対する左膝の物理的圧迫が介護上問題となったため、左側に対し軟部組織解離術を行った。術後3ヵ月の時点で左股関節は伸展・開排位となり、胃瘻への圧迫は消失し、左股関節および膝関節の屈曲拘縮も改善した。なお、骨短縮術を行った右股関節および膝関節の屈曲拘縮も骨折前に比べ改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011