発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011125714
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著者らが提案・報告したMRI STIR像での高信号像を核とした早期確定診断と、可及的速やかな入院、Jewett装具による保存的安静固定治療、骨粗鬆症治療薬投与、段階的リハビリテーションを行った64例のうち、予後を追跡し得た30例について検討した。対象は男9例・女21例、新規骨折椎体数は40であった。STIR像高信号6類型分類との関係をみると、全体型15例25椎体、上方型7例7椎体、前方型1例1椎体、下方型3例3椎体、後方型3例3椎体、中心型1例1椎体に隣接する椎体との骨癒合形成を認めた。上方型全例が上位隣接椎体後壁と、下方型全例が下位隣接椎体と、後方型全例が上・下位隣接椎体後壁と骨癒合する特徴を認めた。この13例13椎体では、初診後3ヵ月で3例でSTIR高信号像の正常化を、10例で70~80%の高信号域の縮小、高信号輝度の軽減を認めた。栄のX線像での分類にならった初診後4ヵ月~1年のCTから判断した骨折型(骨質)と骨癒合形成との関係をみると、陥凹型17椎体、隆起型1椎体、食い込み型5椎体、終板型2椎体、圧潰型11椎体、扁平型4椎体に隣接椎体との骨癒合を認めた。骨質の損傷の著しい圧潰型、扁平型に、隣接椎体後壁と癒合する特徴を認めた。複数の椎体に発生し得る椎体内裂(cleft)との関係をみると、64例中11例でcleftを生じ、いずれにも隣接椎体との骨癒合を認めた。隣接椎体との関係をみると、64例中13例で下位隣接椎体に既存骨折を呈し、いずれも上位新規骨折椎体と骨癒合を認めた。
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