発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011125713
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埼玉県下の整形外科医院・病院121施設で保存的治療が行われた患者を対象に実態調査を行った。調査方法は患者自身がアンケートに記入する形式で実施した。その結果、保存的治療が行われている部位は腰椎が約6割を占め、次いで頸椎、膝、肩であった。最も多かった保存的治療の項目は温熱療法で、次いで腰椎や頸椎では牽引療法、運動療法、膝や肩では運動療法であった。保存的治療により臨床症状が緩和された患者は約8割で、温熱療法、運動療法、牽引療法のいずれでも約8割の患者で症状が緩和され、施行部位での差はなかった。"腰痛に対する生活指導"を受けている患者は約4割で、臨床症状の緩和が良好な患者ほど割合が高かった。医業類似行為店の利用は約2割でみられ、保存的治療で"臨床症状が緩和されていない・どちらでもない患者"は、緩和されている患者と比較して利用する割合が高かった。保存的治療通院患者における腰部脊柱管狭窄症については、約6割が歩行時に下肢症状を訴え、うち約9割が間欠跛行を訴え、その患者の約6割が前屈位で下肢症状が軽減した。腰部脊柱管狭窄症が疑われる患者は730例存在し、50歳以上の約2割を占め、うち腰部脊柱管狭窄と認識している患者は約3割であった。
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