特集 高齢者(75歳以上)の運動器変性疾患に対する治療
脊椎の変性疾患に対する高齢者治療 胸腰仙椎変性疾患 変形性胸椎症・骨粗鬆症やびまん性特発性骨増殖症(DISH)に関連した病態 高齢者(75歳以上)の骨粗鬆症性椎体骨折に対する椎体不安定性の定量評価に基づいた最適な治療アルゴリズムの確立に向けた試み
船山 徹
1
,
塚西 敏則
,
安部 哲哉
,
伊澤 成郎
,
柴尾 洋介
,
山崎 正志
1筑波大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
MRI
,
生活の質
,
脊椎骨折
,
X線CT
,
疼痛測定
,
日常生活活動
,
リハビリテーション
,
アルゴリズム
,
骨折治癒
,
治療成績
,
視覚アナログ尺度
,
バルーン椎体形成術
,
骨折-骨粗鬆症性
,
脊椎不安定症
,
椎体
,
椎体圧潰
Keyword:
Algorithms
,
Activities of Daily Living
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Pain Measurement
,
Radiography
,
Quality of Life
,
Rehabilitation
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Treatment Outcome
,
Spinal Fractures
,
Fracture Healing
,
Osteoporotic Fractures
,
Kyphoplasty
,
Visual Analog Scale
pp.120-123
発行日 2017年10月10日
Published Date 2017/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2018088658
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75歳以上の骨粗鬆症性椎体骨折33例を対象に、初診時の動態撮影による椎体不安定性の値により3つの治療法を適用した。椎体不安定性が5%以下の5例(15%)にはコルセット完成とともに離床を許可し、受傷後3ヵ月で全例骨癒合が得られ受傷前のADLを再獲得できた。椎体圧潰率の差が5~20%の23例(70%)は2週間の厳密な床上安静後コルセット下に離床をすすめ、1例で経皮的椎体形成術(BKP)を行ったが、受傷後3ヵ月で17例(74%)の骨癒合が得られ、12例(52%)で受傷前のADLを再獲得できた。椎体圧潰率の差が20%以上の5例(15%)は2週間の床上安静後コルセット下に離床しても全例疼痛が遷延したため受傷後平均4.5週でBKPを行った。受傷後3ヵ月時点で全例骨癒合が得られたが、受傷前のADLを再獲得できていたのは2例(40%)のみであった。受傷~受傷後3ヵ月におけるVASおよびEuro Qolの効用値は3群間で有意差を認めなかった。
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