発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010211528
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著者らの施設におけの新診断方式により脆弱性脊椎骨折と診断され、治療開始後6ヵ月以上経過した24例について検討した。診断方法はMRIによるSTIR高信号、T1低信号、T2高信号あるいはモザイク信号所見を新規骨折診断基準とし、加えて既存骨折も確認した。この基準により安静固定治療による早期からの骨傷治療と新規骨折の予防徹底を図り、最終的に予後判定としてMRI再検査、CT検査、X線検査にて評価した。その結果、1)STIR高信号分類では全体型18例、前方型1例、後方型2例、上方型2例、下方型1例であった。その経時的変化として全例にSTIR信号域ならびに輝度の減少が認められた。2)CTでcleft形成は11例、後壁脱出は7例で認め、X線所見では椎体変形は全例でみられたが、手術治療に至った症例はなく、11例では隣接椎体との骨性癒合形成を確認できた。3)腰背部痛は治療3~4週間で軽減した例が多く、全例で半年後に疼痛消失し、受傷前のADL能力に回復した。尚、QOLについては全例で受傷前と比べ低下していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010