発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011103817
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高度不安定型胸腰椎移行部破裂骨折に対し椎体高を整復しない後方固定術を行った15例(男5例・女10例・平均36.5歳:A群)の治療成績を報告し、同時期に同様の方法を施行した軽度圧潰骨折24例(男8例・女16例・平均43.8歳:B群)と比較した。McCormackらのload-sharing分類スコアはA群が7点以上、B群は6点以下で、受傷時脊柱管内骨片占拠率はそれぞれ55.7%、33.6%で有意差を認め、受傷時神経学的重症度に有意差はなかった。局所後彎角の推移をみると、A群が受傷時14.5°、術直後4.3°、最終観察時(平均22.3ヵ月後)9.3°、B群は順に5.4°、2.4°、3.1°で、いずれもA群で有意に大きかったが、矯正損失は平均5.0°のみであった。A群のうち経椎弓根的椎体形成術導入前の10例では、受傷時局所後彎角が大きかった2例で大きな矯正損失を認めたが、導入後の5例では局所後彎角が大きかったにもかかわらず矯正損失は平均3.8°であった。A群のModified Frankel分類による評価では、分類AとEを除く不全麻痺9例全例で1 grade以上の改善を認めた。
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