発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007085024
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85歳女。左大腿骨転子部骨折に対するGamma nailタイプの髄内固定法術後4週に左大腿部腫脹と熱感を認めた。臨床検査所見では著明な貧血と高度の炎症反応の上昇を認め、動脈血培養ではStaphylococcus epidermidisが検出された。MRIでは、辺縁がT1強調画像およびshort T1 inversion recovery(STIR)像で低信号、内部がT1強調画像で等信号、STIR像で高信号を示す径6cm大の腫瘤を左大腿部近位内側に認め、周囲の軟部組織はSTIR像で広範に高信号を示した。大腿部血腫に併発した深部感染症の診断で抗生物質投与を開始したが、4週経過時に転倒を契機として左大腿部深動脈仮性動脈瘤を認め、塞栓術を追加後、大腿深動脈結紮術および動脈瘤除去・病巣掻爬を施行した。大腿骨周囲には被膜におおわれた大量の血腫が存在したが、術後貧血は改善し局所の感染徴候も認めず、経過良好にて4週後に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007