骨折(四肢・脊椎脊髄外傷)の診断と治療(その1)
骨盤・下肢 大腿骨近位部(頸部・転子部) Gammaネイル固定術後の脆弱性骨折に対してテリパラチド投与が奏効した1例
木下 斎
1
,
金崎 克也
,
永田 見生
,
大本 将之
,
白濱 正博
,
樋口 富士男
1永田整形外科病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
股関節部骨折
,
髄内固定法
,
骨ネイル
,
MRI
,
術後合併症
,
皮下注射
,
Teriparatide
,
骨折-補綴物周囲
,
骨折-骨粗鬆症性
Keyword:
Bone Nails
,
Fracture Fixation, Intramedullary
,
Hip Fractures
,
Injections, Subcutaneous
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
,
Postoperative Complications
,
Teriparatide
,
Periprosthetic Fractures
,
Osteoporotic Fractures
pp.100-103
発行日 2016年10月10日
Published Date 2016/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2017077772
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90歳女。ガンマネイル固定術後の左大腿部痛を主訴とした。左大腿骨転子部骨折に対し近医でガンマネイルによる骨接合術を受け、術後5週のX線像では骨折部の整復位が得られていたが、術後10週ころから左大腿部痛が出現して歩行困難となった。単純X線像で横止めスクリューの大腿骨皮質の貫通部に骨膜反応様の陰影を認め、MRIではT1強調像で大腿骨骨幹部~骨端部に骨髄の低信号領域、T2強調像で海綿骨と皮下組織の一部に高信号域を認め、大腿骨骨髄内炎症が疑われた。横止めスクリュー固定部における脆弱性骨折を考え、荷重訓練を中止し、テリパラチド製剤(20μg/日)皮下注投与を開始した。投与3週で横止めスクリューの先端部を中心に仮骨が出現し、6週で全荷重歩行訓練が可能となり、9週の大腿骨MRIで骨髄内炎症は改善した。テラパリチド投与を3ヵ月で中止後シルバーカー歩行で退院し、半年経過現在も痛みなくシルバーカー歩行可能である。
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