特集 小児整形外科-新たな治療法の導入-
早期発症側彎症の治療 Growing rod法
柳田 晴久
1
1福岡市立病院機構福岡市立こども病院 整形・脊椎外科
キーワード:
X線診断
,
整形外科固定具
,
再手術
,
術後合併症
,
脊柱側彎症
,
脊椎固定術
,
発生率
,
筋骨格系奇形
,
人工器官機能不全
,
治療成績
Keyword:
Musculoskeletal Abnormalities
,
Orthopedic Fixation Devices
,
Postoperative Complications
,
Prosthesis Failure
,
Reoperation
,
Radiography
,
Scoliosis
,
Spinal Fusion
,
Incidence
,
Treatment Outcome
pp.585-592
発行日 2017年6月19日
Published Date 2017/6/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017261395
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
10歳未満で発症する側弯症は早期発症側弯症 (early onset scoliosis;EOS)と定義される。EOSの なかには乳幼児期型特発性側弯症の一部などのよう に改善・治癒する例もある一方で,キャストや装具 による治療にもかかわらず大きく進行する例も多 い。進行例では側弯による体幹の短縮やバランス不 良に加えて呼吸機能の低下が避けられず,日常生活 動作の障害となるため早期の手術療法が必要とな る。ただし成長過程であるため一期的な固定術はで きず,上下のアンカー部のみ固定し,6カ月に1回程 度の延長手術を行っていく必要がある(図1)。この ような治療法はgrowth sparing surgeryまたは growth friendly surgeryとよばれている。 本稿ではEOSに対する手術療法の1つである growing rod(GR)法について概説する。近年海外 ではmagnetically controlled GR法(磁力を用いて 体外からの延長が可能な方法)が実用されている が,現時点でわが国では使用できないため,本稿 ではtraditional GR法とよばれる6カ月に1回延長 手術を行っていく方法について論述する。
Copyright© 2017 MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.