発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010338489
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38歳男性。患者は35歳時に糖尿病でインスリン療法、37歳時に左化膿性股関節炎の既往があった。今回、左足関節痛と発熱で近医を受診、X線上で左足関節脱臼骨折と診断され、ギプス固定で入院となった。しかし、38~40℃の発熱が続き、血液培養でMRSAが検出され、更に足関節からの浸出液を認め、ギプスを除去したところ、外果に皮膚壊死を認め、培養でMRSAが検出された。以後、ミノサイクリン塩酸塩点滴治療後に著者らの施設へ紹介となったが、左足関節外果には7×7cm大の潰瘍がみられ、MRIでは左足関節内やアキレス腱前方に液体貯留、外果周囲の軟部組織の浮腫性変化、脛骨と腓骨に信号変化が認められた。足関節脱臼骨折を契機に進行した外果潰瘍と軟部組織のMRSA感染を伴う糖尿病による神経障害性関節症の診断で手術を行い、Ilizarov創外固定器を設置した結果、術後12週のX線で仮骨形成が確認され、創外固定器の抜去後は膝蓋腱支持装具で歩行を開始した。尚、手術から1年で骨癒合が得られ、患者は独歩可能となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010