発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010269564
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症例は71歳女性で、転倒時に左手を突き受傷した。左手関節の腫脹・疼痛を認め、X線所見は橈骨関節外Colles骨折で10°のdorsal tiltを認めた。骨折に対し整復を行わず、手関節中間位で肘上よりギプスシーネ固定を行った。2週目の単純X線で尺骨頭が軽度掌側に亜脱臼していたが気づかずにギプス固定に変更した。受傷後4週、ギプスをはずし、可動域(ROM)訓練を開始した。5週目に誘因なく左手関節掌尺側に骨性隆起を触れ、手関節回外90°、回内0°で著明に回内制限が生じ、疼痛が出現した。観血的治療を考えたが回内動作時にクリックと共に尺骨頭の掌尺側への突出が消失し、回内運動が可能となった。単純X線で橈尺関節離開は整復され、掌側亜脱臼を認めなかった.受傷後5週目の単純X線で尺骨頭掌側脱臼がはっきりせず遠位橈尺関節離開と診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010