発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010269554
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2000年9月~2008年12月に、人工関節全置換術(TKA)を施行した症例を、2000年9月~2004年8月の抗菌薬含有セメント(ALAC)非使用の380関節(非使用群)、2006年1月~2008年12月のALAC使用563関節(使用群)に分け、初回TKAの感染予防におけるALACの有用性、医療経済効果について検討した。なお、一部ALAC使用の2004年9月~2005年12月の移行期212関節は除外した。初回TKAの感染率は非使用群で1%(380例中4例)、使用群で0%(563例中0例)であった。起炎菌はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)・緑膿菌・コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)・不明各1例であった。なお、非使用群の感染例4例のうち3例は再置換術(一期的再置換術2例、二期的再置換術1例)を施行したが1例は感染が鎮静化後、Girdlestone手術を行った。初回TKA(片側例)、再置換TKA(感染例)の平均支出はDPCで205981点と312887点、出来高で200805点と308596点であった。また、平均在院日数はそれぞれ28.3日、48.6日であった。
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