発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010187304
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下前腸骨棘剥離骨折13例の治療成績を検討した。治療は保存的治療を11例に、手術的治療を希望する2例に行った。スポーツ復帰までの期間を、安静/免荷期間・全荷重開始時期・ジョギング開始時期・スポーツ開始時期の4段階に分けて比較した結果、スポーツ復帰までの期間は、保存的治療では平均8週、手術的治療では平均6週であった。保存的治療群では経過観察中に転位の増大はなく、良好な仮骨形成を認めた。転位の距離とスポーツ開始までの期間に有意差はなかった。手術的治療の2例は共に術中直視下で行い、大腿直筋実質に損傷を認めなかった。また、2例ともに術後大腿外側皮神経障害を認めたが、6ヵ月程度で自然軽快した。経過観察期間内に骨癒合が確認できたのは、保存的治療11例中7例(64%)、手術的治療2例中2例(100%)であった。全例に愁訴はなく、スポーツ復帰に支障はなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010