経験と考察
荷重MRIからみた内側型変形性膝関節症の発症機序の検討 内側側副靱帯の内側偏位と内側半月板・骨棘との関連
碇 博哉
1
,
王寺 享弘
1福岡整形外科病院
キーワード:
X線診断
,
脛骨
,
MRI
,
膝外傷
,
大腿骨
,
脛側半月
,
膝関節内側側副靱帯
,
体重負荷
,
変形性膝関節症
,
立位
,
骨棘
,
大腿脛骨角
Keyword:
Femur
,
Menisci, Tibial
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Knee Injuries
,
Radiography
,
Posture
,
Tibia
,
Weight-Bearing
,
Medial Collateral Ligament, Knee
,
Osteoarthritis, Knee
,
Osteophyte
pp.412-417
発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015265136
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内側型変形性膝関節症(膝OA)患者において非荷重・荷重状態でのMRI撮像が可能であった30例(男性15例、女性15例、年齢40~79歳、平均年齢58.2歳)を対象に内側側副靱帯(MCL)の内側偏位を比較検討した。対象のX線学的評価は北大分類でstage 1が11例、stage 2が5例、stage 3が5例、stage 4が9例であった。その結果、1)X線分類によるstageごとのMCL値は非荷重/荷重で各々、stage 1が3.32/3.56mm、stage 2が3.03/3.72mm、stage 3が4.99/5.90mm、stage 4が6.54/8.08mmであった。2)X線stageが進行するに伴いMCL値が高く、非荷重時より荷重時のMCL値が高値であり、stageの進行している症例ほど変化率が高い傾向がみられた。3)MCLの変化率を膝OA軽度のstage 1・2群と重度のstage 3・4群に分けた比較ではstageの進行している症例で有意に変化率が高かった。4)MCL変化率と立位FTAについてはFTAが大きくなる内反膝ほどMCL変化率が増大傾向にあり、大腿骨・脛骨内側顆の骨棘によりMCLは有意に内側偏位していた。また、MCL内側偏位は内側半月板内側偏位と強い相関が認められ、膝OAの進行を助長すると考えられた。
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