発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010118207
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肘部管症候群に対し、術後の尺骨神経の後方への移動を防止するためfasciodermal slingを用いる皮下前方移動術(Eaton法)の手術手技を紹介し、同手術施行17例(男11例・女6例・平均53.8歳)の成績を報告した。発症から手術までの期間は2~114ヵ月で、McGowan分類はII度9例、III度8例、原因疾患は変形性肘関節症6例、尺骨神経脱臼・亜脱臼3例、肘関節周囲の骨折術後3例、特発性(原因不明)5例であった。術後観察期間3~36ヵ月で、握力(健側比)は術前平均63.8%、術後85.6%、ピンチ力はそれぞれ40.8%、73.0%と有意に改善した。術後赤堀予後評価基準では優5例、良7例、可5例で、術後血腫や感染などの合併症はなく、神経の後方移動を生じた例もなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010