発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010044185
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70歳女性。患者は34歳時に転倒し左膝を打撲して以来、左膝関節に反復する水腫が出現した。他院で関節穿刺を受けていたが、その後も関節水腫が出現し、47歳時に著者らの施設へ初診となった。所見では炎症性関節炎が疑われたが関節水腫は穿刺後1~2週で自然軽快した。だが、関節水腫は両膝に出現し、穿刺で自然寛解を繰り返す経過となった。経過中、難治性口内炎がみられ、繰り返す関節水腫より、自己免疫疾患が疑わしいと考え、プレドニゾロン内服を開始したところ、関節症状は消失したが、プレドニゾロンを休薬すると症状が再燃した。30歳代に外陰部潰瘍の治療歴があることが判明し、膝関節X線では35年の罹病期間にもかかわらず病的所見を認めなかった経過から、精査・確定診断目的に膠原病内科を紹介し、最終的に不完全型Behcet病が疑われる診断となった。現在、プレドニゾロン2mg/日の投与で関節症状は消失している。
©Nankodo Co., Ltd., 2009