発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010044175
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腰椎部神経根ブロックを行った腰椎椎間板ヘルニア186例、腰部脊柱管狭窄症154例の計340例を対象に、神経根ブロック時の放散痛の部位と各神経根について検討した。その結果、神経根ブロック時の放散痛の部位は、各神経根においてKeeganらの皮膚髄節にほぼ一致した。しかし、責任神経根であってもL4神経根で約30%、L5神経根で20%に、いつもの痛みと神経根ブロック時の放散痛の部位が一致しない例が存在した。また、放散痛が下位神経根のダーマトームと重なる例が20%前後存在したが、上位神経根のダーマトームと重なる例はなかった。以上より、神経根ブロックにおける放散痛の部位だけではL3神経根とL4神経根、L4神経根とL5神経根、L5神経根とS1神経根とはそれぞれ鑑別が困難なことがあると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009