発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009314613
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症例1は36歳男で、両側アキレス腱付着部骨化症と診断して保存加療を行ったが、右側の疼痛が続いたため手術加療目的で入院となった。X線で付着部に骨化像、骨梁構造を認め、CTでアキレス腱内に数個の骨化像、MRIの骨化部と周囲にT2強調像で高信号の部位を認めた。骨化部に踵骨との連続性はなく骨化部周囲に滑膜が軽度増生しており骨化部を摘出し、病理所見より軟骨、骨組織を形成し内部には骨髄腔を認めた。術後3ヵ月に軽度の骨化再発、6ヵ月に増大傾向を認めたがエチドロネートの1ヵ月間投与で増大はなくなり症状の再発は認めていない。症例2は65歳男で、左アキレス腱付着部骨化症と診断して保存的加療を行うが、歩行時疼痛が増大したため手術加療目的で入院となった。画像所見は症例1と同様だが骨化部は周囲の腱組織と癒着し骨化部前方に滑膜の軽度増生を認め、病理所見も症例1と同様で周囲滑膜表層部に炎症細胞の集簇を認めた。術後、付着部にごくわずかに骨化部残存を認めた。術後3ヵ月に骨化の再発を認めエチドロネートの2ヵ月間投与を行ったところ、骨化の増大はなくなり症状の再発も認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2009