発行日 2002年11月1日
Published Date 2002/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003099138
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48歳女.統合失調症と診断し,ドグマチールによる治療を開始した.頸部前屈が出現し,薬剤性ジストニアと診断した.その後抗コリン薬(アーテン)を投与し,向精神薬をインプロメンに変更した.しかし頸部前屈は改善せず,両下肢麻痺が出現したため,入院となった.MRI T2強調矢状断像では,著明な後方要素を伴ったC6/C7椎間板ヘルニアを認めた.緊急除圧のためC5~C7脊柱管拡大術を施行した.術後1週より下肢の自動運動可能となり,術後2ヵ月で歩行器歩行が可能となった.術後3ヵ月から頸部痛が出現し,術後5ヵ月で両下肢麻痺が再度出現した.C6/C7レベルでの再狭窄を認め,再除圧目的にhalo-vest装着後,椎間板ヘルニア切除とC6-C7前方固定術を施行した.術後3日から神経学的回復を認め,現在では歩行器歩行が可能であり経過は良好である
©Nankodo Co., Ltd., 2002