臨床室
頚髄腫瘍摘出後に水頭症をきたした1例
倉田 慎平
1
,
岩田 栄一朗
,
小泉 宗久
,
重松 英樹
,
奥田 哲教
,
田中 康仁
1奈良県立医科大学 整形外科
キーワード:
MRI
,
術後合併症
,
水頭症-正常圧
,
髄膜腫
,
脊髄腫瘍
,
椎弓切除術
,
予後
,
脳室腹腔シャント
,
髄膜瘤-偽性
,
頭部CT
,
頸髄
Keyword:
Hydrocephalus, Normal Pressure
,
Meningioma
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Laminectomy
,
Postoperative Complications
,
Prognosis
,
Spinal Cord Neoplasms
,
Ventriculoperitoneal Shunt
,
Cervical Cord
pp.23-26
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015150423
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72歳男。歩行障害、右手指巧緻運動障害、右上肢筋力低下を主訴とした。MRIではC1-C2高位硬膜内にT1強調像にて等信号、T2強調像にて低信号の腫瘤が、頸髄を前方に圧排していた。脊髄腫瘍と診断してC1、C2の椎弓切除術を施行し、硬膜とくも膜を切開して腫瘍を摘出した。病理診断は髄膜腫であった。術後2週で独歩可能、右手指巧緻運動障害も改善したが、軽度の見当識障害が出現し、自宅退院後の術後6週に見当識障害の増悪、歩行障害、尿失禁を来たし再入院となった。頭部CTで側脳室から第3脳室にかけて顕著な拡大を、頸椎MRIでは腫瘍摘出高位に髄液漏に伴う偽性髄膜瘤を認めた。脳室-腹腔シャント術を施行したところ症状改善し、術後1年の現在、JOAスコアは術前7.5点から14点へ改善し、頭部CTでは脳室拡大は軽度改善であったが、頸椎MRIでは偽性髄膜瘤は縮小し経過良好である。
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