発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009314607
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62歳男。3年6ヵ月前に右小指のDupuytren拘縮に腱膜切除術を施行したが、1年前に右手掌部尺側の手術痕部に腫瘤が出現・増大したため再診した。前回手術痕上に3×2cm大の弾性硬の腫瘤を触れ、疼痛や炎症所見は認めず、試験穿刺で白色粥状の液状を吸引した。造影CTで小指MP関節掌側に筋肉よりやや低濃度の占拠性病変を認め、辺縁のみが淡く造影された。医原性に生じた類上嚢腫と判断して皮膚直下の白色の被膜に覆われた腫瘤を剥離して一塊に切除した。病理所見より層状の角化物を含む嚢胞性病変で嚢胞は異型のない重層扁平上皮に裏打ちされており類上皮嚢腫と診断した。術後8ヵ月、再発は認めていない。手術中の上皮組織の迷入が要因と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009