発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008178561
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24歳男。3ヵ月前より腰痛・右下肢痛が出現し、徐々に増悪した。MRIでL5椎体後面頭側にT1強調像で低輝度、T2強調像で高輝度の嚢腫様病変を認めた。L4/L5椎間板変性は軽度であった。椎間板造影でL4/L5椎間板に造影剤を注入したところ、髄核のみ造影され、強い右下肢への再現痛と共に病変部への造影剤流入が確認された。CTD所見では線維輪の断裂はほぼ正中にあり、L5椎体後面に椎間板と連続する嚢腫への造影剤貯留がみられた。硬膜外~神経根ブロックを行ったが症状は軽快せず、Love法に準じて手術を施行した。赤褐色の腫瘤をL4/L5椎間板より尾側に認め、L5神経根と軽度癒着していた。腫瘤は易出血性で、内容液流出後、しぼんだ被膜を摘出した。椎間板には小孔がみられ、嚢腫との連絡口と思われた。病理組織学的に、摘出病変は線維性結合組織から成り、一部軟骨組織も認めた。術翌日より下肢痛は消失し、JOAスコアは術前12/29点から6ヵ月後満点となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008