発行日 2009年6月1日
Published Date 2009/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009241358
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症例1:84歳女。転倒して後頭部を打撲し、近医でのC2-C3骨折を指摘され当科紹介となった。頸部痛があり、単純X線ではC2関節突起間骨折、C3の右側に強い圧迫骨折を認め、軸椎は右側に傾斜していた。CT再構築像では左上関節突起骨折を認め、骨折線はC2の左上関節突起部から椎体剪断骨折、右関節突起間骨折へと連続し、C2 ring骨折であった。左外側環軸椎関節は前方に亜脱臼していた。整復操作とハローベスト装着を行い、骨折の転位および整復は良好であったが、坐位で再亜脱臼を認め、受傷後17日目に環軸椎後方固定術を行った。術後6ヵ月に良好な骨癒合を認め、頸部痛もみられなかった。症例2:80歳女。転倒して右後頭部を打撲し、CT再構築画像でAnderson分類type IIの歯突起骨折と軸椎右上関節突起陥没骨折を認め、歯突起は右側に傾斜していた。ハローベスト装着で良好に整復され、頸部痛も消失した。全身状態を考慮して手術は不可能と判断されたが、認知症の増悪で2ヵ月後に装着中止となった。受傷後7ヵ月の所見で、骨癒合不良、右斜頸位、右旋回・側屈制限、頸部痛残存を認めた。
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