発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009037666
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著者らが経験した術後大腿骨ステム周辺骨折10例(全例女性、平均年齢80歳)について検討した。既往手術は全例が大腿骨頸部骨折に対する人工骨頭置換術であった。骨折型はバンクーバー分類でtype B1:6例、B2:3例、B3:1例であった。人工骨頭置換術時に使用したステムはB1例のうち5例がセキュアフィット、1例がPCA、B2およびB3例は全例セントピラーであった。治療法はB1例全例では骨接合術を、B2およびB3例ではいずれも弛みを伴っていたためセメントレスによる再置換術が行なわれた。術後合併症は元来誤嚥性肺炎を繰り返していた統合失調症の1例で肺炎による死亡があったが、その他の症例では深部感染などの合併症はみられなかった。ステム周辺骨折受傷前に歩行可能であった8例中6例が最終フォロー時に再手術前と同様の歩行可能を保っており、おおむね良好な成績を得ることができた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008