発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009099219
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63歳女。主訴は左母指自動伸展障害であった。初診時は左長母指屈筋腱断裂を認めたが、1ヵ月後の診察では左示指深指屈筋腱・右長母指伸筋腱の断裂も認めた。手指X線像では関節裂隙の軽度狭小化を認め、手関節MRIではT1・T2強調像で骨びらんを、T2強調像・脂肪抑制像で屈筋腱周囲に滑膜炎と第3中手骨基部の骨髄浮腫を認めた。中指浅指屈筋腱を長母指屈筋腱に、環指浅指屈筋腱を示指深指屈筋腱に移行術を施行した。術中、手根管内に屈筋腱周囲滑膜の浮腫様増殖を認め、長母指屈筋腱の断端は鈍、示指深指屈筋腱の断端は鋭となっていた。精査の結果Tamaiらの診断基準で3項目すべて満たし早期関節リウマチ(RA)と診断し、プレドニン・ブシラミンを開始した。その後、長母指伸筋腱の移行術を施行し、術後手指の可動域良好で職場復帰した。それぞれの手術時に採取した滑膜細胞を比較すると2回目手術時は炎症細胞の減少が確認できた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009