発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005140448
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86歳女.左股関節痛による歩行困難を主訴とした.脳血管障害による左片麻痺と痴呆があり,介護施設入所中であったが,転倒を繰り返すうちに主訴が出現した.初診時X線検査にて左大腿骨頸部骨折を認め,バイポーラ型人工骨頭置換術を行ったが,術後14日の排泄移動後に患肢の短縮と内転内旋屈曲位を呈し,疼痛を訴えた.単純X線にて人工骨頭の後方脱臼を認め,徒手整復を行ったところ,整復感とともに脚長差は改善したが,脱臼整復後のX線像で人工骨頭の分解を認めた.外骨頭の交換と整復を行い,摘出した外骨頭,ストッパーリング,内骨頭およびステムを観察したが,いずれにも弛み,脱落,破損はみられず,術後は簡易股関節装具を処方した.その後,脱臼は認めていない
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